おはようございます。 今日も雨の札幌。
コンビニの24時間営業の問題がニュースで見ますが、その24時間営業を止めた業界もあります。それはファミリーレストランの「ロイヤルホスト」。
数年かけて徐々に減らしてき、なんと17年1月に24時間営業を全店廃止していました。 (知らなかったです、ずーと24時間営業をしていると思っていました・・・)
理由は環境の変化。コンビニエンスストアも24時間営業に参入していなかった昔であれば、24時間通じて飲食を提供する店舗には、早朝も深夜もたくさんのお客様に来たそうです。しかし、今ではそういった場所も増え、以前ほどの効果はなくなりました。また、携帯電話やスマートフォンによる若者のコミュニケーションの変化、SNSの発達も環境変化の大きな要因です。これらによって、若い方々は深夜でも気軽にどこでも交流を楽しめるようになり、わざわざファミレスに集まる必要もなくなりました。
それと、「人手不足」。やはりなかなか人が集まらないそうです。 そうなると、店長や料理長が勤務時間を延長せざるを得なくなります。
そんな中、社長に就任した16年からより本格的に営業時間改革を進めるようになります。
「無理を取り除く」という方向で転換をしないといけないと考え、その無理を取り除けば、お客様へ提供できる付加価値を上がれるのではないかと発想したのです。
営業時間削減によって売り上げが減るだけではなく、その時間帯に来ていたお客様を他店にとられるという心配もあったと思います。コンビニ業界は、「うちが休めば、通りの向かいのライバル店に客を取られる。敵に塩を送るようなことはできないから、24時間営業廃止には踏み切れない」とよくある話です。
CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)のバランスをどう取っていくべきかのせめぎ合いですね。「ESが向上した従業員は、きっとCSを向上させてくれるだろう」という判断で、大きな決断をし24時時間営業を廃止しました。
そして定休日も取り入れそれまでを営業していた、元旦を定休日にすると「初めて元日に家族と初詣に行きました」とか「元日に初めて、親戚に新年のご挨拶ができました」といった声が結構聞かれたそうです。従業員の満足がお客様の満足につながる、という信念をぶらさないことが非常に大事な点だと述べられています。
その結果、24時間営業を止め、定休日を導入すると「7億円の減収になる」という見込みは外れ、逆に7億円の増収なりました。(スゴイ!)
営業時間短縮後に起きたのは、ランチタイムとディナータイムの売り上げの増加。それまで早朝深夜時間帯に働いていた、働き手が、単価の高いランチやディナーの時間帯に入ってくれるようになったことで、サービスの価値も上がりました。
まさにCS(顧客満足度)とES(従業員満足度)のいいサイクルですね。